くるま旅の魅力と快適な車中泊のために
くるま旅だからこその機動力
そこには「非日常」があります。家族で行くのもよし、ふらりと1人で行くのもよし、朝、海辺や山の麓で目覚め、鳥の声や風に揺れる木々の葉を眺め、珈琲を片手に何もしない時間を過ごす。
忙しい毎日だからこそ、初めて見る風景がとても新鮮で、ふと気がつけば、もうこんな時間。それぞれの「くるま旅」が、工夫次第でコンパクトカーや軽バンなど、キャンピングカーでなくとも始まります。
くるま旅のメリット
①時間や日程に縛られにくい
最大の魅力は、その自由度の高さにあります。
時刻表や宿の時間を気にせずに、夜は狭いながらも秘密基地のような車内で眠り、海辺や山の麓で目覚めながら、珈琲を楽しみ、鳥の声や風に揺れる木々の葉を眺めながら何もしない時間を過ごす。
途中、気になった看板に立ち寄り、旅先ならではのグルメや会話を楽しんだり。その日の気分や情報、天候等に応じて気軽に行き先を変更できます。
時間に縛られにくいメリットは、人が少ない時間に名所などの写真を撮影したり、登山口で前泊して早朝から登山を楽しんだり、天候が回復するまで近辺で停滞したり、花火大会やスキーなど帰路の渋滞を避け、車内で休憩・仮眠後、ゆっくり帰宅することも容易になります。余裕ある移動はまるで1日の時間が増えたようです。
子供が急に熱を出してしまったなど、直前に宿泊をキャンセルした等の経験をされた方も多いのではないでしょうか?車中泊での「くるま旅」は自分のペースで旅が出来るためストレスが少ない旅が可能になります。必要なGEARを積込み、ふらりと旅に出ましょう。
②くるま旅ならではの機動力
ツーリストのパック旅行や電車やバスなどを使った旅では、行きたいところへの限界がありますが、車中泊を前提とした「くるま旅」なら、そんな場所にでもアクセスし易い機動力が大きな魅力です。
機動力を活かして「日本本土4極巡り」「日本全国16極点巡り」なども良いですね。僕は2023~2024年に「日本本土4極巡り」を、2023年に「四国八十八箇所(お遍路)」へ行きましたが、とても魅力が多く思い出深い「くるま旅」でした。
また荷物は車に置いて身軽に散策でき、自転車が積載出来るなら更に行動範囲は広がりますね。必要な備品を車に積んでいる状態なら、必要な食料などを補充するだけで、すぐに「くるま旅」がスタートします。
広大な大自然の北海道からマリンブルー・サンゴ礁の沖縄まで、海に囲まれ南北に長い日本は意外に広く、四季折々の景色や地域毎の文化や食を楽しむ事ができます。感動の一枚は一生の思い出になることでしょう。
③リーズナブル
宿泊代がかからないので、やってみたかったアクティビティを増やしたり、旅先ならではのグルメをより堪能したり、旅の日数を増やすなど、プランの幅も広がり、より旅を楽しむ事ができます。外食ばかりだと栄養バランスが気になる方は、車内で自炊する事で健康と費用のバランスをとる事も可能です。
④安全性について
バイク旅や歩き旅と違い、突然の荒天などにも無理をせずに車の中で待機することも出来ます。また車内はテントと比較すると安全性も高い面があります。小さな車内はミニシェルターにもなり、ほっとできるプライベート空間になります。
⑤わくわく感
絶景の海辺で目を覚ましたり、爽やかな山麓で夜を過ごしたり、日々変わる景色の中で過ごす時間は特別な時間になり、隠れ家的な車内は「わくわく感」満載。童心に戻った様です。
人との出会いにも「わくわく」があります。道の駅等で同様に「くるま旅」をしている人との情報交換は旅の参考になることも多く、地元の人との交流は、その地の文化や穴場情報を知る機会にもなり、より旅を充実したものにしてくれます。
車中泊でくるま旅をする際の配慮事項
①リスクがある事を理解しておきましょう
比較的安全な日本といえ、ホテル等と違い様々な人が出入りする公共の駐車場だとリスクがあることは拭いきれません。プライバシー保護や防犯対策として、カーテン(シェード)や、車中泊場所の選び方も重要です。
②暑さ・寒さへの対策が必要
車内は建物内と違い、暑さ寒さの影響が顕著です。寒い時期は車内温度は外気温と殆ど変わらない時もあります。寒い時には着込んだりカイロなど対応し易い面がありますが、暑い時には対応し難い面が多いですね。
特に昨今の夏場の真夏日や猛暑日だと熱中症などの深刻な事態に繋がりかねません。詳細はこちらのページをご覧下さい。
③快適な睡眠への対応
質の良い睡眠は「くるま旅」を楽しむだけでなく「安全運転」の面でもとても重要です。厚みのあるマットを使用したり、シートの段差を解消したり、快適な睡眠に拘りましょう。就寝姿勢は「エコノミークラス症候群」にも繋がる可能性もあり、注意が必要です。
a:足を延ばして寝る事ができる
b:背中にゴツゴツ感が無い(シート隙間や段差の解消)
④トイレ、お風呂等のルートの組立
車内にトイレがある場合は別ですが、基本「トイレ」がある場所が必然となります。天候が良い時には余り気になりませんが、雨天や寒い時期などは、一度、社外に出てトイレに行くのは正直、面倒くさいです(苦笑)
又、お風呂に入りたい場合「車中泊」場所に行くまでに「温泉」「銭湯」をルートに組込む必要があります。
全国に道の駅は1,209駅(令和5年8月4日現在)、日帰り温泉・お風呂のある道の駅は約150か所(令和5年8月7日現在)あり、温泉や銭湯は全国各地にありますので、今までそれほど困った事はありません。
只、町中の銭湯だと駐車場が無かったり、大きな車両は停めにくい場合もあり、事前に「GoogleMap」等で調べておくほうが無難です。ネットで探して辿り着き、湯船で地元の方とお話するのも楽しみのひとつです。
私は中長期の「くるま旅」では、時々「快活CLUB」も利用します。Wi-Fiを利用してのパソコン作業がメインですが、シャワーも時々利用(店舗により非設置)します。
車中泊が出来る場所は?
主に「道の駅」「高速道路SA・PA」「RVパーク」「CARSTAY」「オートキャンプ場」「有料駐車場」等がありますが「道の駅」「高速道路のSA・PA」は、運転の疲労を回復する為の休憩を前提とした施設の為、仮眠での利用を前提としています。【参照】国土交通省 道の駅
仮眠と車中泊の基準が曖昧な点もありますが「道の駅」によっては、マナー禁止行為等により支障が発生した経緯から、車中泊を明確に禁止している「道の駅」もあり、Net 等で事前に確認するほうが無難です。
<道の駅>
全国に道の駅は1,209駅(令和5年8月4日現在)あり、その地域ならではの特産品や食材、グルメ、道の駅によっては温泉を併設しているなど利便性も良く、また情報発信の拠点として、その地域の絶景や名所、隠れたスポットなど観光情報も溢れているので、僕はここでパンフレットや掲示物などから情報を仕入れて移動する事も多いです。旅感を一層、感じる事が出来る場所のひとつです。
<高速道路SA・PA>
SAは主に「ガソリンスタンド」「フードコート」「レストラン」「案内所」「トイレ」等を備えた休憩施設です。場所によっては「温泉施設」「宿泊施設」「ドッグラン」等を併設している所もあります。グルメやスイーツ、地域特産品など地域地域での特色を出しているSAも多く、SAでのグルメやショッピングを目的に旅をしている人も多いのではないでしょうか。
PAはSAより距離が短い間隔で設置され「トイレ」「自販機」等、必要最小限の休憩施設となり、PA・SA共に仮眠での利用を前提としています。運転に疲れて事故する前に休んで下さいという事ですね。
<RVパーク>
日本RV協会に認定された車中泊が可能な場所です。「くるま旅クラブ」に入会を前提としていますが、RVパークによっては、会員でなくても利用する事ができます(その場合、料金が少し割高になったり、特典が受けられなかったりします。詳細はRVパークのHP等をご確認ください)施設は原則8つの項目を満たす事から、車中泊する人のニーズに沿った場所であるといえます。
①余裕の駐車枠(横4m×縦7m以上推奨)
②24時間利用可能なトイレ
③100V電源使用可能(20A以上推奨)
④入浴施設が近隣にあること(車で15分圏内)
⑤ごみ処理が可能
⑥入退場制限が緩やか
⑦看板の設置
(指定ロゴを日本RV協会より支給)
⑧複数日の滞在が可
RVパークを展開する「くるま旅クラブ株式会社」では、旅館やホテルで車中泊ができる「湯YOUパーク」、町中の駐車場空きスペース等に車中泊できる「くるま旅パーク」、レストランなどのお食事処の駐車場で車中泊ができる「ぐるめパーク」など幅広く展開し会員(有料)になる事で利用できます。
ごみ処理が出来ることも中長期間の「くるま旅」だと、とても有難いですね。
<公園等>
海岸線や山間の道路に面して、比較的、規模の大きな海浜公園やダム公園等があることがあります。
只、車中泊を禁止している場合もあるので、事前にNETで確認したり看板等をよく確認しましょう。
<Carstay>
キャンピングカー & 車中泊スポット予約アプリ「Carstay」を展開しており、提携した全国の車中泊スポット・体験場所は約350件(2023年8月8日現在)、初期・月額費用は無料となっています。
こちらも「RVパーク」と同様の機能がある施設も登録されています。興味のある方は「Carstay公式サイト」をご覧ください。
<オートキャンプ場・キャンプ場>
自然を身近に感じられるロケーションの良い場所が多く、子供と一緒にアクティビティを楽しんだり、テーブルや椅子をセットしてバーベキュー、晩は焚火を楽しんだりとキャンプ場ならではの時間を過ごすことができます。
楽しんだ後は車内でくつろいで就寝など、テント等の後片付けもないので、キャンプと車中泊の良い点を楽しむことができますね。キャンプ場によっては「温泉施設」「コインランドリー」なども併設されており、私も時々「くるま旅」中に利用したりしています。
<有料駐車場>
街中の有料駐車場での車中泊はグレーゾーンです。観光地によっては「高知市 天神橋パーキング」等の様に、車中泊の利用を前提として明示した駐車場もありますが、明確に駐車場の利用規約看板に「車中泊禁止」と記載している場合はやめておきましょう。又、街中ならではのリスクも考えておくことが必要です。
①背の高い車は駐車券ゲートに接触する可能性
②駐車制限(全長・幅)で駐車禁止明示場所もあり
③繁華街であることによる騒音
④車上荒らしや職務質問に遭遇する可能性
⑤トイレが無い場合、コンビニ等を利用させて
頂くなど、エリア的な考慮が必要
「くるま旅クラブ公式サイト」では、町中の駐車場空きスペース等に車中泊できる「くるま旅パーク」を展開しています。
くるま旅の注意点やマナー
①体調管理
まず旅を楽しむ為には、体調が万全であることが重要です。車中泊にまだ慣れていない時期には尚のこと、自分自身の体調の変化に注意し、常備薬、健康保険証は必ず、出来れば救急セットも持っていきましょう。
②交通安全・車の点検
事故を起こしてしまうと旅そのものが辛くなったりしまいます。慣れてない道を走る事が多い「くるま旅」だからこそ、より注意が必要になってきます。
走行距離や運転時間などからの適度な休憩、交通危険予知や「かもしれない運転」を心掛け、出発前には、タイヤの空気圧や摩耗状態、ウオッシャー液、オイル交換等の点検、雪道を走る場合には、チェーンやスタッドレスタイヤなどの準備もしっかり行い、安全に「くるま旅」を楽しみましょう。
③車中泊のマナー
場所によっては車中泊を禁止している場合があります。事前に、その場所が車中泊禁止かどうかをインターネットや駐車場の看板等で確認しましょう。
道の駅には、下記の3つの機能が備わっていることが求められており、休憩機能の中に仮眠を認めますが、宿泊場所では無いことが明確にされ、高速道路のSA・PAも同様となります。【参照】国土交通省 道の駅
「仮眠を前提に黙認されている」ことを理解して、マナーを守って利用させて頂く姿勢が大切ですね。
・24時間利用可能なトイレや駐車場等の休憩機能
・道路・観光・緊急医療等の情報発信機能
・訪方者と地元との交流を図る地域連携機能
「日本RV協会(JRVA)」並びに「くるま旅クラブ」から「くるま旅」を楽しまれる方々に対し「くるま旅のマナー」が発信されています。ご参考下さい。
<主なマナー違反等>
・アイドリング駐車
・駐車場にテーブルや椅子等を出すキャンプ行為
・洗面所で食器や体を洗う
・ゴミを捨てる(放置)
・施設内のトイレ等で洗濯
・汚水や残飯を流す
・外部電源の使用(盗電)