定年後は車中泊で「くるま旅!」
このページは、定年後のライフスタイルのひとつとして、車中泊で巡る「くるま旅」の楽しみ方をイメージし易くするヒントを記載しています。
はじめに・・60歳を迎えて思うこと
60歳・還暦の節目を迎えると、自営業はともかく65歳定年制の会社や65歳までの継続雇用?と、定年後どのように過ごすのか?漠然と考えている人も多いのではないでしょうか?
規則正しい生活のために継続して働いたり、今までの経験を活かして少し新しいことを始めるにも良い時期でしょう。只、職場では「特にすることがないから働く」そんな方も多くいました。
定年後のベストの時間を楽しむ
定年後は、少しのんびりしたいと「くるま旅」で「日本一周」や、ふらりと心落ち着く景色を求めて旅に出ることは、多くの人が夢見るのでないでしょうか。
そんな定年後の時間はどのくらいあるのでしょう?
平均寿命と健康寿命(2019調査より)
平均寿命 男性81.41歳、女性87.45歳
健康寿命 男性72.68歳、女性75.38歳
例:男性 65歳で退職後、82歳まで生きた場合、17年。睡眠時間を7時間とすると・・・
【退職後の時間】17時間× 365日× 17年=105,485時間
【会社員の時間】8時間(1日)×250日(年)×43年=86,000時間(22歳~65歳勤務の場合)
定年後の時間は会社員で過ごした時間よりかなり長いですね。只、健康寿命で考えた場合、随分と変わってきます。
例:男性 65歳で退職後、73歳まで健康に過ごせる場合、8年。睡眠時間を7時間とすると・・・
【退職後の時間】17時間× 365日× 8年=49,640時間
「105,485時間→49,640時間」約53%減少
平均寿命と比較すると健康寿命での時間は随分減ってしまうのですね。健康状態には個人差があるので一概には言えませんが、定年してしばらくはベストの時間といえそうです。
自由度の高い車中泊で「くるま旅」
「車中泊」で「くるま旅」をした事が無い人だと、少し躊躇するかもしれませんが、実際に「車中泊」してみると、案外思っていたことは杞憂だった事に気付き、重ねるほど、そのハードルは下がっていくと思います。
まず、近場でシンプルにマットや毛布、寝袋を積んでスタートしてみて「あれがあると便利かな?」「これがあると快適かな?」と、DIYで工夫したり、快適さを求めてGEARを揃えていく過程も楽しいものです。
「車中泊」での「くるま旅」は、交通手段としてだけでなく、旅先の自然や荒天の中でも安心して過ごせる「ミニシェルター」にもなり、その自由度の高い旅は心身のリフレッシュにも絶好の機会となります。
家族で行くもよし、ふらりと1人で行くもよし、それぞれの「くるま旅」が、コンパクトカーや軽バン、ミニバンなど、キャンピングカーでなくとも、工夫次第で始まります。
数日間「くるま旅」という「非日常」に身を置いていると「わくわく」している自分 に気付くことでしょう。
車中泊で「くるま旅」のメリット
①時間や日程に縛られにくい
最大の魅力は、その自由度の高さにあります。必要な食料やGEARを積み、ふらりと車を走らせる。
時刻表や宿の時間に縛られず、夜は狭いながらも秘密基地のような車内で眠り、海辺や山の麓で目覚め、鳥の声や風に揺れる木々の葉を眺めながら珈琲を楽しみ、何もしない時間を過ごす。
途中気になった看板に導かれ、旅先ならではのグルメや景色を楽しんだりと、これまで多忙な日々だったから、毎日がとても新鮮で気がつけば、もうこんな時間。その日の気分や気になった情報、天候に応じて気軽に行き先を変更できます。
時間に縛られにくいメリットは、人が少ない時間に名所の写真を撮影したり、登山口で前泊して早朝から登山を楽しんだり、天候が回復するまで近辺で停滞したり、花火大会やスキーなど帰路の渋滞を避け、車内で休憩・仮眠後、渋滞解消後にゆっくり帰宅することも容易になります。
子供が急に熱を出してしまったなどで、直前に宿泊をキャンセルした等の経験をされた方も多いのではないでしょうか?
車中泊での「くるま旅」は、自分のペースで旅が出来るためストレスの少ない旅が可能です。
②くるま旅ならではの機動力
ツーリストのパック旅行や電車・バスを利用する旅では、行きたいところへの限界がありますが、車中泊での「くるま旅」なら、そんな場所にでもアクセスし易い機動力が大きな魅力です。
機動力を活かして「日本本土4極巡り」「日本全国16極点巡り」なども良いですね。僕は2023~2024年に「日本本土4極巡り」を、2023年に「四国八十八箇所(お遍路)」へ行きましたが、とても魅力多く味わい深い「くるま旅」でした。
又、荷物は車に置いて身軽に散策できることも魅力です。必要な備品を車に積んでいれば、食料や飲料水などを補充するだけで、すぐに「くるま旅」がスタートします。
広大な大自然の北海道からマリンブルーの沖縄まで、海に囲まれ南北に細長い日本は思っているより広く、四季折々の景色や地域毎の文化やグルメを楽しむ事ができます。感動の一コマは一生の思い出になることでしょう。
③リーズナブル
宿泊代がかからないので、やってみたかったアクティビティを増やしたり、旅先ならではの食事をより堪能したり、旅の日数を増やしたりと、プランの幅も広がり、より旅を深く楽しめます。
また外食ばかりだと栄養バランスが気になる方は、車内で自炊する事で健康や費用のバランスを図る事も可能です。こちらをご覧ください。
④安全性
バイク旅や歩き旅と違い、突然の荒天などにも無理なく車内で待機することも出来ます。
又、車内はテントと比較すると防犯面での安全性も高い面があり、小さな車内は、ほっとするプライベート空間にもなります。
⑤わくわく感
絶景の海辺で波音で目を覚まし、山麓で瞬く満天の星空を眺めたり、日々変わる景色の中で過ごす時間は特別な時間になります。そして隠れ家的な車内は「わくわく感」満載。まるで童心に戻った様です。
人との出会いも「わくわく」があります。道の駅などで同じように「くるま旅」をしている方との情報交換は旅の参考になることも多く、地元の方との交流は、その地の文化や穴場情報を教えて頂く機会にもなり、より旅を充実したものにしてくれます。
車中泊で「くるま旅」の際に配慮すること
①リスクがある事を理解しておきましょう
比較的安全な日本といえ、ホテル等の個室と違い様々な人が出入りする公共の駐車場だとリスクがあることは拭いきれません。
プライバシー保護と防犯対策として、カーテン(シェード)の取付けや、車中泊の場所の選び方も重要です。
②暑さ・寒さへの対策が必要
車内は建物内と違い、暑さ寒さの影響が顕著です。暑い時期には車内は外気温より高くなったり、寒い時期には車内温度は外気温と殆ど変わらない時もあります。
寒いときには着込んだりと対応しやすい面がありますが、暑い時には対応しにくく、特に昨今の夏場の真夏日や猛暑日だと、熱中症など深刻な事態に繋がりかねません。詳細はこちらのページをご覧ください。
③快適な睡眠への対応
質の良い睡眠は「くるま旅」を楽しむだけでなく「安全運転」の面でもとても重要です。
寝心地の良いマットを使用したり、シートの段差を解消したり、季節に応じた寝具を用意し、快適な睡眠に拘るたことが必要になってきます。詳細はこちらのページをご覧ください。
④トイレ、お風呂等のルートの組立
トイレのある車はともかく「車中泊」は「トイレ」がある場所が必然となります。
天候が良い時には余り気になりませんが、雨天や寒い時期など、車外のトイレに行くのは正直、面倒くさいものです(苦笑)
またお風呂に入りたい場合「車中泊」する場所に行くまでに「温泉」「銭湯」をルートに組み込む必要があります。町中の銭湯だと路地が細かったり、駐車場が無かったり、大きな車両は停めにくい場合があるため、事前に「GoogleMap」等で調べて行くことをお勧めします。
⑤マナーやルールに注意しましょう
近年「道の駅」で「車中泊禁止」の表示をしているところも見受けられます。
駐車場にサイドオーニングやテーブル、椅子などをセットして、まるでキャンプ場と見間違う光景に遭遇した事も何度かあります。
この様な事が度重なりやむを得ず「車中泊禁止」にした「道の駅」もあるのではないかと思います。基本的なマナーやルールを守って「くるま旅」を楽しみましょう。
充実した「くるま旅」にするポイント
①どのような旅にしたい?情報を簡単に整理しましょう
必ず「行ってみたい場所」「やりたいこと」「食べたいもの」など、ポイントとなる情報を押さえておきましょう。旅の記憶として思い出深いものになります。
地図でざっくりルートを押さえ、後はざっくばらんに、その日の天候や気分でルートを決定して「くるま旅」を楽しみましょう。なんせ自由度の高いことが魅力の「くるま旅」ですから!
②必要な準備品を揃えましょう
目的地の情報をリサーチし、旅先の気候や気温に合わせた服装や寝具、必要な装備や食料など準備しましょう。
③体調管理(体調の変化に注意しましょう)
旅を楽しむ為には、自身や同行者の体調が万全であることも重要です。
車中泊にまだ慣れていない時期には尚のこと、定期的な休憩、バランスの取れた食事、夏期・冬期の暑さ、寒さ対策、十分な水分補給を心がけ、自分自身の体調に注意し、常備薬、健康保険証は必ず、出来れば簡単な「救急セット」も持っていきましょう。
④交通安全・車の点検
事故を起こしてしまうと旅そのものが楽しく無くなったり辛くなったり、時間も取られてしまいます。慣れてない道を走る事が多い「くるま旅」だからこそ、より注意が必要になってきます。
1日で無理な長距離を走るのではなく、走行距離や運転時間に応じた「適度な休憩」「交通危険予知」「かもしれない運転」を心掛け、出発前には、タイヤの空気圧や摩耗状態、ウオッシャー液、オイル交換等の点検、雪道を走る可能性がある場合には、チェーンやスタッドレスタイヤなどの準備もしっかり行い、安全に「くるま旅」を楽しみましょう。
くるま旅は「非日常」の旅
僕が車中泊を始めたきっかけは、あちこち知らない景色に触れたいけれど、会社員という休みが限られた時間の中で効率よく楽しむためでした。
僕は長距離ドライブも苦にならない人なので、早朝から絶景や名所を楽しんだり、アウトドアでも活用したり、嫁さんや子供たちも一緒に「車中泊」で「くるま旅」を楽しんできました。
60代になった今でも気持ちは、その頃と一緒で「車中泊」は、秘密基地のようで楽しいですし、明日どんな景色を見る事が出来るかと思うと「わくわく」してしまうというのは言い過ぎでしょうか?(笑)
まとめ
定年後の60代は自由になる時間も増え、子供たちも巣立ち、金銭や気持ちの面でも少し余裕ができたり、遠くまで運転して「くるま旅」を楽しむ体力や気力もまだまだある世代だと思います。
そんな時期だからこそ「くるま旅」に関わらず、自分の「わくわく」を見つけて楽しみたいものです。
僕が思う「車中泊」で行う「くるま旅」の一番の魅力は「非日常」を「機動性」と「臨機応変」を活かして思う存分楽しむこと。
旅館や民宿等の美味しい料理や布団、温泉は、それはそれでとても魅力なのですが、僕はお気に入りの景色を気が済むまで眺めていたい、朝日や夕日に染まる山々や海の景色を写真にお収めたいなど、その中に身をおく時間が好きなので、時間を決められている宿に入るために、その時間を疎かにしたくないのです。
気に入った場所では、しばらく滞在し、その地域の魅力をじっくり堪能しています。
そして時間に余り縛られずに気持ちに余裕が出来ると、今まで見えていたはずだけど「見えてなかった景色」や、聞こえていたはずだけど「聞こえていなかった虫や鳥の声」など様々な事に気付きます。
今でも出掛ける度に、新しい発見があります。「くるま旅」だったから気付く事ができた。そんな魅力が「くるま旅」にはあると僕は思うのです。