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鳥取県 湯梨浜町 道の駅「燕趙園」で、同様に車中泊旅をしている「姫路」の方と知り合う機会があった。
聞けば、現在、75歳、60歳で定年退職後、軽自動車の箱バンを車中泊仕様にDIYして全国を15年間、車中泊で「くるま旅」していて、1年の約半分以上は旅をしているそうだ。車体後部には北海道などのシールが沢山貼られている。
5月に行われる三朝温泉「花湯祭り」を楽しみに、コロナで中止の時以外は毎年来ていて、僕にも「見に行ってみないか?」と声をかけて頂いたので、現地で合流させて頂くこととした。
「花湯祭り」はお釈迦様の誕生を祝い、その年の「五穀豊穣」「商売繁盛」を願うお祭りで「陣所(じんしょ)」と呼ばれる藤カズラの綱を用いた綱引きが見どころだそうだ。
三朝温泉は三徳川を中央に挟み、多くの旅館やホテルが立ち並び、路地に入ると少しひなびた昭和の温泉街感が残り、街中や橋にも足湯、川原には無料の露天風呂もあり、情緒ある山の中の温泉地だ。
ラジウムが分解されたときに生じるラドンという高濃度の放射線を含む日本有数の放射能泉で湯治客も多いという。
「花火」は夜8時30分「陣所」は、9時からなので、それまで「足湯」や街中を散策して時間を待つことにした。
薄暗くなり看板に一斉に明かりが点きはじめると、昼間と違う風情ある温泉地の雰囲気が感じられる。川面にも映る花火を楽しんだ後、祭りに詳しい方に案内頂き、この祭りの目玉となる「陣所」を運よく最前列でみることが出来た。
「陣所」は西と東に別れ、長さ80m、重さ4トン、胴回り1.5ⅿの藤カズラで編んだ雄綱、雌綱を引き合う勇壮な綱引きで「国指定重要無形民俗文化財」だ。藤カズラは「三徳川」で約半年、水に浸し編み上げるそうだ。
東が勝利すると「五穀豊穣」西が勝利すると「商売繁盛」とされ、今回が147回目の開催。
それぞれ西と東から藤カズラを引き出し、温泉街路地の真ん中で雄綱と雌綱のカズラを法被姿の屈強な勇姿たちが、約3m近くの高さまで持ち上げてつなぎ合わせるのだが、これが中々難しい。
4度目にして、ようやくつなぎ合わせて、くさびが打ち込まれ、カズラ綱引きがスタート、今年は西側の勝利となった。
祭りが終了後、その場で藤カズラはチェーンソーで切り分けられ「宝木」として、希望する観光客や地元の方へ配布される。
その後、お祭りの余韻を楽しむように、ぼんやりと星をみながら川原の露天風呂を楽しんだ。
さあ、そろそろ「我が家」ならぬ「秘密基地」に戻るとしよう。
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